連載第9回:フェリックス・ヴァロットン

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    連載第9回:フェリックス・ヴァロットン

     

    このブログ連載はアルフォンス・ミュシャやトゥールーズ・ロートレックを含むアール・ヌーヴォーの有名な作品をポスターや版画を中心に絵と解説で紹介やアール・ヌーヴォーの大まかな歴史やポスター製法の用語(例えばリトグラフとは)などを更新いたします。アール・ヌーヴォーのポスター傑作集連載の第9回です。

     

     

    文芸雑誌「ル・リール」に掲載されたフェリックス・ヴァロットンの作品。

    ヴァロットンと言えば「怠惰」などに代表される木版画の作品が有名ですが、実は上記のようなコミカルな作品も手掛けています。

     

    ヴァロットンの木版画「怠惰」

    1865年にスイスのローザンヌに生まれたヴァロットンは、82年にパリに移り、アカデミー・ジュリアンに入学しシャルル・モランらと出会います。1890年にパリの国立美術学校で行われた「日本の巨匠やたち」展などで展示されていた浮世絵などの影響をうけ、当時フランスでは廃れていた木版画に取り組むようになります。

     

    1890年に国立美術学校で行われた「日本の巨匠たち展」の告知ポスター、製作したのはジュール・シェレですが、描かれている女性は国貞の浮世絵から。

     

    ラ・ルヴュ・ブロンシュやレスタンプ・オリジナルで木版画を発表する一方、ペピニエール座のポスターやル・リールなどではリトグラフの作品も手掛けています。

     

    次の2点は、同じような題材をリトグラフと木版で製作してるので、比較するととても面白いと思います。

    1893年のペピニエールのポスター、こちらはリトグラフ

     

    そして1893年同じ年の木版画では

    「祖国を讃える歌」と題し

    このように描いています。

     

    またこの頃からピエール・ボナールらに代表されるナビ派としても活動し数々の絵画も手掛け、1900年にはスイス国籍を保有したままフランスに帰化します。1914年に第一次世界大戦が始まると自身も軍隊に入隊しようとしますがそのときヴァロットンは49歳ということもあり年齢制限により入隊を拒否されます。そこで翌年戦争を主題にした版画集「これが戦争だ」を制作します。晩年まで精力的に活動しましたが、1925年に60歳で生涯を終えました。


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