連載第8回:イヴェット・ギルベール

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    連載第8回:イヴェット・ギルベール

     

    このブログ連載はアルフォンス・ミュシャやトゥールーズ・ロートレックを含むアール・ヌーヴォーの有名な作品をポスターや版画を中心に絵と解説で紹介やアール・ヌーヴォーの大まかな歴史やポスター製法の用語(例えばリトグラフとは)などを更新いたします。アール・ヌーヴォーのポスター傑作集連載の第8回です。

     

    1894年にトゥールーズ・ロートレックが描いた「リンガー、ロンガー、ルーを歌うイヴェット・ギルベール」

     

    イヴェット・ギルベール(1867〜1944)は19世紀末、ベル・エポックと呼ばれたパリで活躍したシャンソン歌手であり、語るような独特な歌い方は「ラ・ディズーズ」(朗読者)と呼ばれ、そのことから今日では「世紀末の語り部」といわれることもあります。

     

    1865年(一部の書籍などでは1867年)に生まれ、16歳の頃に百貨店でモデルなどを務めていました。その後歌や役者の勉強をし、1889年に「エルドラド」に出演、1890年には「ムーラン・ルージュ」や「ディヴァン・ジャポネ」に出演し、黒い手袋に深いV字形の襟ぐりのドレスを着て、大げさなジェスチャーと卑猥な歌詞を語るように歌うスタイルが人気を博し一躍有名になります。

     

    1894年にはアンバサドールに出演、この最初のポスターはロートレックがデザインしますが、そのあまりのデフォルメした様はイヴェットの不評をかい、実際はスタンランがポスターを手掛けました。

     

    アンバサドールに出演するイヴェット・ギルベールのためにロートレックが描いた下絵

     

    実際に使用されたテオフィル・スタンランの描いたポスター

     

    ロートレックはイヴェット・ギルベールの魅力に虜となった画家で、このポスターを手掛けることはできなかったが、すぐさまアルバム集「イヴェット・ギルベール」の製作を行う。こちらの作品はイヴェット・ギルベールも大いに気に入りアルバムにはイヴェットの直筆サインも添えられた。

     

    1894年に製作されたアルバム「イヴェット・ギルベール」

     

    またこれより少し前の1891年にはポスター画家の大家であるジュール・シェレもイヴェットの姿を描いています。

     

     

     

    イヴェットは1944年に亡くなりますが彼女の歌声はCDなどにも残されています。興味のある方はぜひ聞いてみてください。

    「辻馬車」が有名な作品になります。

     


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