「トリプレックス」 A.M.カッサンドル

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    「トリプレックス」 A.M.カッサンドル

     

     

    この作品の題名はトリプレックスといいます。トリプレックスとは強化ガラスのことでありその広告ポスターであるが、カッサンドルはガラスよりむしろレースをするドライバーがまっすぐ前を見つめている瞳に焦点をあてました。この至極単純化されたポスターは、まさにアール・デコを体現した傑作の一つといえます。

     

    アール・ヌーヴォーが華やかな装飾や曲線、鮮やかな色使いとすると、アール・デコ独特の余分な装飾や線を極力そぎ落とし、色使いも極力シンプルにしています。しかしながら観る者に強く印象を与えています。

    この作品の特徴の一つでもある背景を描かない、という描き方は1890年代ですと、トゥールーズ・ロートレックやテオフィル・スタンランなどが、

     

     

    少し後の1900年代になると特にカッピエッロがよく好んだ描き方でした。

     

     

    またこのような描き方は日本の浮世絵などにもよく見られる描き方で

     

     

    フランスのポスター芸術にジャポニズムの影響が表れていることもわかります。

     

    そしてこのカッピエッロの頃から少しづつポスターもアール・デコへの作風の変化が表れ始め、

     

     

     

    カッサンドルが活躍する頃にアール・デコは頂点を迎えます。

     

    カッサンドルは本名アドルフ・ムーロンというウクライナ出身のフランス人で、アール・デコの画家としては第一人者に数えられます。20世紀が始まった1901年にウクライナで生まれ、アール・ヌーヴォーが衰退した1915年にフランス・パリにやってきます。その後美術学校で学び、1922年にはカッサンドルの名義でポスターを発表します。ポスターデザインにおいて天才的な才能を発揮したカッサンドルは1925年に行われたパリ万国博覧会、通称アール・デコ博でグランプリを獲得し、名声を一気に広げます。そのご1935年のノルマンディー号のポスターやリキュール、「デュボネ」のユニークに富んだ作品を発表しました。

     

     

     

     


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