パリのクレオパトラ「クレオ・ド・メロード」

0

    パリのクレオパトラ「クレオ・ド・メロード」

     

    クレオパトラと言えば、カエサルやアントニウスなど時の権力者たちを魅了したその美貌から絶世の美女と言われたエジプトの女王を思い浮かべると思います。しかし、美女と言われたクレオパトラですがクレオパトラが生きていた当時に製作された絵画や彫刻はなく、唯一の肖像はコインに描かれている横顔だけになります。実はクレオパトラの彫刻や絵画などは彼女の死後にイメージをもとに製作されました。

     

     

    クレオパトラの当時の肖像がわかる紀元前51〜31年に発行されたコイン(画像提供 パリシ―)

     

    そんな美女の代名詞ともいえるクレオパトラ、実は19世紀末のパリにも数々の芸術家たちや王族をも魅了した美の女王クレオパトラがいました。今回は写真を中心にご紹介します。

     

     

     

    1896年にパリの週刊誌イリュストラシオンにて、ミュシャのポスターで有名な大女優サラ・ベルナールや人気歌手ネリー・メルバ(デザートで有名なピーチ・メルバはこのメルバのために当時創作された)、美人ダンサー、ラ・ベル・オテロなど当時評判の100人以上がエントリーされた「美の女王」を選ぶコンテストが開催されました。

     

    1896年のイリュストラシオン(表紙はアルフォンス・ミュシャ)

     

    そのコンテストにおいて7000票の内3076票を獲得し見事「美の女王」に輝いたのが、クレオパトラ・ディアーヌ・ド・メロード、通称クレオ・ド・メロードと呼ばれるオペラ座の若きダンサーでした。

     

     

    1875年にヨーロッパの貴族ド・メロード家の婚外子としてパリに生まれたクレオは7歳のころよりプティ・ラットとしてオペラ座に所属します。プティ・ラットとは直訳すると小さなネズミという意味になりますが、オペラ座のバレエ練習生の事を指します。

     

    幼少期のクレオ

     

     

    オペラ座の楽屋風景 左から二人目がクレオ

     

    幼少より美しかったクレオは、オペラ座にて出演するかたわらさまざまな画家や写真などのモデルを務めました。特にクレオの前髪を真ん中からわける髪形は流行し様々な画家の絵に登場します、ド・フールの「ジャンヌ・ダルク」やミュシャの「黄道12宮」やブロンズ「ラ・ナチュール」などは、クレオがモデルではと言われています。ミュシャの息子ジリは否定していますが、ド・フールとミュシャともにコンテストの行われた1896年に制作している絵画なのは興味深いところです。

     

     

    1896年の美の女王コンテストで優勝し一躍有名になったクレオは、同年にベルギー王レオポルド2世とのスキャンダルがおこります。オペラ座に出演していたクレオを観た国王がクレオを気に入り愛人にしたとの噂がおこり、国王はクレオと合わせたクレオポルド2世と揶揄されました。

     

     

    ファルギエールがサロンに出展したクレオの大理石の彫刻。クレオは顔のモデルしか務めていないとしているが裸体ということもあり大変話題になった。

    1897年にはアメリカツアーを行い、その後オペラ座を辞めてからも1900年の万博でのインドシナ館でのカンボジアの踊りやソロのダンサーとしてフォリ―・ベルジェールなどに出演し活躍しました。

     

     

    このクレオの写真はすべて、1898年に発行された「Les Reines de Paris(パリの女王たち)」から掲載しています。

     

     

    16ページに写真が22点掲載され、さらにクレオは耳を見せないで有名ですがこの中にめずらしくクレオの耳が写っている写真も掲載されている貴重な冊子です。

     

    最後に「なぜならクレオの方がより惹きつけものを持っているからだ」と書いたトゥールーズ・ロートレックが描いたクレオ

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     


    コメント
    コメントする








       

    新着記事

    カテゴリー

    archives

    recommend

    サラ・ベルナールの世界 ーパリ世紀末ベル・エポックに咲いた華ー
    サラ・ベルナールの世界 ーパリ世紀末ベル・エポックに咲いた華ー (JUGEMレビュー »)

    リボリアンティークスが協力させていただいている展覧会の公式図録兼書籍です。代表中村大地が執筆した作品解説も収録されていますので興味のある方はぜひお求めください。

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode